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COLUMN

コラム

2018/05/31

働き方改革落とし穴(投稿者:マイケル竹若)

 

ブログネーム、マイケル竹若です

「都市とは、その通りを歩いている
ひとりの少年が、彼がいつの日かなりたい
と思うものを感じ取れる場所でなくてはならない。」

香山 寿夫(2003)「ルイス・カーンとはだれか」より

有名な建築家ルイス・カーンの言葉です。
このような都市は日本にどれだけあるのでしょうか?

大手広告代理店で起こった過労自殺をきっかけに
働き方改革が叫ばれています。
そのニュースが堰を切ったように
企業の不祥事が相次ぎました。
行政でも不祥事が起き
現在では教育機関でも問題が起こっています。

日本人の負の側面が露わになる事態が相次いでいます。
この側面は今に始まったことではなく
潜在的に日本人が抱えていた国民性の問題が
インターネットの発達により個人個人の言葉が社会に響き
顕在化され問題視されているのだなと思います。

一昔前のニュースで相撲の土俵で倒れた男性を
女性が救護しようとした際、
アナウンスで女性が土俵に上がらないよう
注意した出来事がありました。

女性差別という視点で問題視されています。
しかし、私は日本人がもつ根元的な国民性が
問題になった出来事ではないかと思います。

仮に性別が逆転したシチュエーションで
男性禁制の場所で女性が倒れたとしても
同じように男性が救護しないように注意したでしょう。

国民性の問題
一つは
形式、決まり事、見栄を守りすぎるあまり。
臨機応変な行動ができない点です。

戦時中
日本軍のパイロットは戦艦を撃沈すると好成績
がついていたそうです。
一方補給艦などを沈めても評価は低い。
連合軍は補給艦を撃沈しても高い成績が
ついたそうです。
補給艦を叩いて、兵糧攻めにして
大きな戦艦を落とすという戦術をとっていました。

この違いは日本軍が
実利より見栄を優先した結果でしょう。

二つ目は、行き過ぎた集団主義。

赤信号みんなで渡れば怖くない。

と揶揄されたように相次いだ企業の不正は
社会的倫理観、規範より所属するコミュニティでの
評判、評価、利益を優先する国民性が表れた出来事です。

働き方改革についてですが
先ほど記述した
過労、過重労働を無くすという目的の他に
少子高齢化社会を迎え
その社会に合わせた生産性向上
という目的も含まれます。

経済ドキュメント番組で
特集していました
デンマークと日本の
1年の労働時間と一人当たりのGDP
1時間ごとの労働生産性を比較したところ
日本人はデンマーク人より1か月分長く
働いているにもかかわらず
一人当たりのGDPは90万円ほど少ない
1時間ごとの労働生産性は
2600円ほど少ない。

日本は儲からない仕事を長くして
愚痴ばかり言ってる状態です。

インターネットの投稿で日本企業で働く
インド人の不満を見たことがあります。

インドではその日のノルマが終われば
早く帰れるので仕事を早く済ませる。
しかし日本では早く済ませると次の仕事を
割り振られるので手を抜いて遅く仕事をしている。
という内容の投稿でした。

また経済ドキュメントのテレビ番組で
働き方改革について特集していました。
業務命令で残業禁止になった紳士服売り場で
労働時間短縮にとりくむ姿を取材していました。
上司の方が部下の接客をストップウォッチで測り
接客時間を短くするよう管理していました。

接客は価値を生む仕事なのにそれを削る
それをストップウォッチで図る無駄な人件費。
何だか情けない気分になりました。
こういったことも先ほど指摘した
形式、決まり事、見栄を守りすぎる国民性と
行き過ぎた集団主義が招いた現象でしょう。

そういった国民性が
物事の本質を捉えず表層的に対策を行う
要因になってしまってるのでしょう。

仕事には段階があって

第1段階
まず付加価値を生む高度なスキルが
必要とされる重要な仕事。

第2段階
高度なスキルを要しない仕事。

第3段階
かたずけなど直接価値を生まないが
やらなければならない仕事。

第4段階
待ち時間や無駄な動き。

行ってる業務を棚卸しし取捨選択をする
第3段階、第4段階を削減する
まずそこから行う必要があったのではと思いました。

話題は変わりますが
外国人の考え方と日本人の考え方の違いに
驚いた事がありました。

外国人コーチが日本の子供指導する番組で
テニスを教えていました。

私が驚いたのは球拾いのシーンでした。
子供が走って球拾う姿に
「走らないで」と注意したのです。
重要な練習に体力を温存するため
球拾いなどに体力を使わないで
という理由からでした。

日本の指導では効率的な練習より
精神力や、やる気を重視するため
いついかなる時、たとえ球拾いでも
全力で取り組むよう指導します。

その違いが日本と先進国との労働生産性
の違いを生んでるのだなと思いました。

日本社会において哲学の不足を実感します
スポーツでも運動会で優劣を決めない教育。
逆に悪質な反則行為を強要し勝とうとする指導。
そういったことがまかり通っている世の中。

何のために勝つのか、何のために働くのか
原点に立ち返り独り一人が教養を磨かなければなりません。

日本の最高学位である東京大学で
有名な画家宇佐美圭司さんの壁画が処分されるという
珍事件が起きました。
大学生協と大学の管理者とのコミュニケーションの齟齬
が招いた事件かもしれませんが
普段から現代美術に対して興味関心がない
日本人の教養の低さが招いた事件でもあります。

働き方改革により時間を持て余した
会社員の人が公演で携帯ゲームに興じたり
ゲームセンターで時間をつぶす姿が
テレビ番組で取材されていました。

可処分時間を何に当てるか
それを考えたいと思います。

裁量労働制についても
言いたい事がありますが
長くなりそうなので次回にします。

以上。

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