2019/07/31
致知2018年2月号(投稿者:マイケル竹若)
ペンネーム、マイケル竹若です
致知2018年2月号のインタビュー
櫻井よしこさん(ジャーナリスト)と
中西輝政さん(京都大学名誉教授)の
対談記事を読みました。
※『致知』2018年2月号【最新号】
※特集「活機応変」P20
内容は激化する国際情勢の中
日本人はどう生きるかという
重いテーマです。
戦後アメリカの庇護のもと日本人が
独立自尊の精神をなくした事を危惧されています。
40年前中国とロシアが核を持ったことで
憲法を改正して日本も核を持つ事を
政府は考えていたそうです。
核拡散を恐れたアメリカは日本核武装化にやめさせるため
日本をアメリカの核の傘に入れることを決めました。
その間、国民は日本人としての気概、現実感覚を無くしました。
櫻井よしこさんはそれを「豊かさのリスク」と言っています。
櫻井さんは中国が北朝鮮を駒にし、アメリカは日本を駒にし
互いをけん制しあっていると解説しています。
国際的なプレゼンスを失ったのはアメリカに頼りすぎて
「日本国を自分たちの手で守る」
「北朝鮮有事の際、拉致被害者は自衛隊が救出する」
という感覚すらなくなってしまっていると語られています。
現在、アメリカは保護主義に走り
北朝鮮は核兵器による外圧を強め
中国は膨張し世界の秩序が変わろうとしています。
アメリカの政府は太平洋を中国とアメリカで分割して
管理する中国の提案を了承するのではと
噂が広まっています。
中西輝政さんは憲法改正をして日本も核武装する
必要性を説いています。
アメリカでも日本が核武装をしたほうが
いいのではないかという意見があり
そのリスクとメリットをシュミレーションをしているそうです。
そして
2018年が改憲するラストチャンスと語られています。
この対談を読んだとき、初めは眉をひそめて読んでいました。
保守派の人がよく言う「戦後教育がもたらした自虐史感」
からくる嫌悪感なのかもしれません。
去年、広島に行く機会があり
多くの犠牲者の名前が刻まれた石碑、原爆ドーム
焼け野原になった広島の街の写真、を見ました。
youtubeでは核実験の資料映像がレコメンドされてきました。
それを見ると、何とも言えない絶望的な気持ちになります。
日本は核兵器は持たない方がいいと私は思います。
核を持つ選択をすると他の国も持ち始め
際限なく核兵器が増えることになります。
また将来、人工知能を使用したドローン兵器が流通すると
核兵器が持つ抑止力は無意味化するという意見もあります。
ただこのままでいいとは思いません。
アメリカと中国の太平洋分割管理が具現化すると
日本は中国の勢力に飲み込まれます。
多くの保守派の人が中国兵が沖縄に上陸し
占領するのではないかと危惧されています。
そういった武力を用いた制圧より
経済的な制圧が起る懸念があります。
無印良品を展開する良品計画に中国の国家測量地理情報局に
カタログに尖閣諸島(中国名:釣魚島)が記載されていない
という指摘をうけ、良品計画は指摘を了承しカタログを
撤去したそうです。
経済活動まで政治、外交問題に発展する深刻な状況です。
以前「ガイアの夜明け」という番組を見ていると
日本の縫製工場が中国人の技能研修性を
休みもなく低賃金で働かせ、賃金も未払いのまま計画倒産。
別の場所で社名を変え同じ事業を続けていました。
研修生が労働組合の人と詰めかけると
未払い賃金立替制度を使い、違法ではないと主張しました。
将来、中国がGDP世界一になると
中国の論理が世界標準になる可能性があり
中国企業で日本人労働者が不当労働に
従事する事も考えられます。
(日本企業に働く日本人が不当労働にあっている問題もありますが。)
外交交渉は国力で決まります。
国力は産業技術力、人口構成、経済力、軍事力などで決まります。
今の日本の国力はどの構成要素でも問題を抱えています。
技術力はそれを支える基礎研究が蔑ろにされています。
iPS細胞の不正の原因の一端に研究者の非正規雇用
があるそうです。
また企業の不祥事が相次ぎ、技術的なアドバンテージは風前の灯です。
規制が日本ほど厳しくない新興国では最新の技術を使った
自動化・電子化のシステム開発から実用化が盛んです。
人口構成は逆ピラミッド。多くの現役世代が親の介護問題に直面します。
高齢化と少子化の同時進行で
国民一人当たりの生産性は乗数的に低下していきます。
経済力は開発がひと段落した東京五輪以降の景気後退が懸念されます。
軍事力の面では、アメリカが保護主義に走っていることで
日本の安全保障が揺らいでいます。
国力が弱くなれば諸外国に足元をみられ不利な条件をのむことになります。
そういった国内情勢では、日本の全体主義化が懸念されます。
日本人は付和雷同しやすい国民性を持っています。
相次ぐ企業の不祥事もそういった国民性が招いたものでしょう。
本来、先制的な武力を持つことは悪くはありません。
永世中立国のスイスは軍事力を持って防衛のため国民に武器を支給しています。
北朝鮮や中国は自衛隊が専守防衛しかできない事を見透かして
傍若無人な態度に出ています。
ただ今の付和雷同しやすい国民性のままで自衛隊を軍に変え
先制攻撃可能な状態になれば
戦時中の全体主義を理想化する時代になってしまう。
保守の方は「自立した国」という言葉を使われます。
社会の中で「自立」というのは例えば無人島で孤立無援の生活をするのではなく
親以外の人と「広く薄い相互依存の関係」を結ぶことです。
自立するためといって仲の悪い国と外交を断絶し自主防衛の道を進み
孤立するすることは、得策とは言えないのではないでしょうか。
実際、私は仕事で孤立していますが、情報が私の耳に入りにくく
業務を進めるうえで大変難儀しています。孤立と自立を混同してはいけません。
国民一人一人が真剣に将来のことを考え、改憲議論を進め
安全保障の話だけではなく、幅広い分野で
日本をよくするにはどうするか?
個々に意見を持つ事が全体主義に陥らず、自主性を持った
国になるのではと思いました。
改めて思うと戦争は何もメリットはありません。
少子高齢も元をたどれば戦争で人口構成をひずませた結果です。
今でも日本を苦しませています。
街並みもスクラップアンドビルドの醜い街や画一的な無個性な街が
広がることもありませんでした。
戦争で出征し亡くなった優秀な日本人が国造りに携わっていれば
明治時代の先人の智慧が生きる国になって
もっと国際競争力のある国になっていたかもしれない。
以上