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COLUMN

コラム

2019/06/30

浄土への修羅の道 修羅編(投稿者:マイケル竹若)

マイケル竹若です。
ここ最近、日本社会に起こると
警鐘を鳴らされていた
社会問題がドラスティックな形で
起こってます。
無職に関わる拡大自殺や家族と揉めた末に
起こった殺人。
また連日報道される高齢者に関わる事故。
老後資金の不足等々、新書や経済解説本に
記述されていた日本社会の懸念材料が
一気に噴出しています。
所謂「8050問題」です
日本社会において人工構成比が多い
団塊世代が80代の高齢者になり
その子供である
団塊の世代ジュニアが
50代を迎え老年に差し掛かり
様々な弊害が起こる社会問題です。
元農林水産事務次官が
ひきこもりの息子を殺害する事件が
ありましたがこのニュースを報道する
メディアのツイートに事件の
加害者を称賛するリプライが
沢山送られてる事に
社会的不適合者や弱者を
排除することに抵抗がない社会に
繋がるのでは?と不安を禁じえません。
この事件の背景は
川崎の殺傷事件に影響を受け
同じような境遇にある自分の息子が
同じような事件を起こすのではと
懸念した父親である容疑者が
息子に手をかけた事件です。
この事件の前に福岡県でも
ひきこもって仕事をしないことを咎められた
容疑者が祖父を殺害する
逆のパターンの事件が起きていました。
川崎殺傷事件→福岡県→元農林水産事務次官
その流れからまるで
被害者が犯罪者予備軍で
その犯罪者を退治した
父である元農林水産事務次官を
ヒーロー視する意見が集まりました。
その意見はノイジーマイノリティーと言って
ネット上の過激な少数派の意見かも知れませんが
その過激さから偏見を助長する呼び水に
なる可能性があります。
事件を起こした加害者を擁護する
気持ちはありませんが
私自身も身の振り方が器用な方では無いので
仕事の飲み込みが遅かったり
口数が少なく表情も乏しく
何を考えてるかわからないとされ
ることが多く、社会に適応出来ていると
胸を張っては言えません。
また私の弟も失業してから無職なので
身につまされる気持ちでいっぱいです。
人は皆、薄氷を踏んで生活をしている
ようなもので
自分の足下の氷が割れ氷点下の水に
さらされるのかわからない。
本来いつ自分が社会的弱者になるかわからない。
なのに、私の足元の氷は厚くて割れないと
思い込んでる人が多く自分は被災したり
病にもかからない社会的弱者には
絶対にならない、といったスタンスで
自己責任論を振りかざし
社会不適合者やその予備軍を切り捨てようとする
小金持ちが多いです。
被災や病だけで無く、テクノロジーの発展で
知的生産とされていた業種でも
淘汰の波が押し寄せます。
かつては物を左から右に送るような
単純作業とされていた仕事も
正規雇用されていた時代があり
それが非正規雇用になり
更に外国人労働者に代替され
そしてオートメーション
により省人化、無人化されていきます。
その現象が肉体労働から
知的生産にも及びます。
小金持ちの方々は、社会に不適出来なかった
人達を怠惰で努力不足と批判しますが
そのボーダーラインはテクノロジーの進化や
グローバル化によって年々上がっています。
100メートル走に例えると、かつては
11秒代で走れば入賞していたのに
10秒代でしか入賞しない
更に9秒代で無いと入賞しないという
時代に突入しています。
今の基準では社会的適応する
ボーダーラインを下回ってるのにも関わらず
時代の恩恵に乗っかって
社会的地位を得た世代や人物が
その恩恵を無自覚に無視し
実力主義、自己責任論を振りかざしてる
人が少なからず居ます。
その世代がよく言うのは
子供を産ます社会負担になる人間は
排除するべきと言った主旨の
発言が多いです。
そのボーダラインをこえるには
子供の教育費も年々上昇してるので
可処分所得が500万円程無いと
厳しい時代になり
個人主義的なライフスタイルの流行や
国益を考えない世代が少子化を招いてる
と言った批判は的外れな意見だと思われます。
寧ろバブル期で財を成した方々の方が
国益の事は毛頭頭にないような
言動が見受けられます。
財テクで節税…。
節税という言葉自体が
相互扶助の理念が無い事を物語ってます。
また、時代は社会適応の壁を
更に高くすることを要求するので
極端な未来、サイボーグ化するか
遺伝子操作した人間で無いと
社会的適応し生産活動できない時代が
やがて訪れるでしょう。
現在、中国ではクローンペットが
流行しつつあるようです。
亡くなったペットの
クローンを作るサービスです。
100年後かの未来、中国では
遺伝子操作が美容整形並みに
一般化して、GDPを押し上げるかも知れません。
日本では倫理的問題として
抵抗がありますが
経済的なメリットなあるならば
モラル、倫理観を無視して日本でも
流行するかもしれません。
そう言ったサービスは
高額になりますから
富めるものはより富を引き寄せ
持たざるものは、足掻きようがない
絶望の社会が待ち受けるかもしれません。
「無用者階級」という言葉が
ホモデウスという話題の本に書かれたようですが、
人類はテクノロジーによって
まるで神の様な能力を得て、新時代に適応する層と
全く用をなさす、何も生産活動に関われない層に
分かれるディストピアなSF映画を思わせる内容の本です。
グローバル化によって国という概念自体が変わってくる
可能性もあります。
昨今、フェイスブックが独自の仮想通貨「Libra」が
話題を呼び起こしています。
運営にはフェイスブックだけでは無く
20社以上の優良企業が参画し
通貨バスケット制という仕組みで
一般的な仮想通貨と違い相場の乱高下が
少ないそうです。
(通貨バスケット制とは何か調べてみましたが
全く理解できませんでした、もう無用者社会の線引きが
始まってるのかもしれません。)
アメリカの中央銀行に当たる
FRB(米連邦準備制度理事会)はその危険性を指摘し
Libraに懐疑的な意見を発信しています。
正直その危険性について勉強部足なので
理解できませんでしたが
グローバル化により多国籍企業が
生まれ、経営の効率化により
買収や統合が活発化してあらゆる
分野で独占寡占化しています。
以前、石油価格が上昇するというニュースがあり
メディアでは、イランやベネズエラなど石油産出国の
情勢不安によるものと言う報道が散見されていましたが
出光と昭和シェルが合併して、ライバル店舗が
同グループで横並びになり、価格競争が働かなくなったと
分析する解説者もいました。
独占、寡占化は健全な価格競争をさまたげ
資本主義経済が硬直する危険性があります。
GAFAに代表されるプラットフォーマーと
言われる企業が権限を増しそれを危険視した
各国政府示など規制を強化している。
そのような企業は、本社機能やデータセンター
開発拠点など世界中にそれぞれの経営効率を考え
配置しています。
一つの国では監視、規制、管理な行き届きません
一つの国が課税強化しても
税率の低い国に機能移転します。
タックスヘイブンを利用して
課税逃れをする企業もあるそうです。
アメリカでは利益を研究開発費にまわせば
税金がゼロになったり
社員報酬を自社株で払えば税金がゼロ
になったり、税金の富の再分配の
機能が果たせなくなっています。
(アメリカ政治は保護主義なので
アメリカ企業優遇なのかもしれませんが)
形のないデジタルデータに対して
どう課税するのか、国対世界企業の対決です。
一つの企業が国家権力を上回る時代。
これまでは今後の社会で起る修羅の道を
列挙しましたが
次回はその道の先にある微かながら浄土の要素を解説します。

マイケル竹若でした。

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