2018/10/31
致知読書感想【投稿者:マイケル竹若】
マイケル竹若です。
致知という雑誌の読書感想を書きます。
私が気になった記事は11月号、85ページの「車いすポルシェの挑戦」
石井勝之さんの随筆です。
リオデジャネイロパラリンピックの競技用車いすを製造している
オーエックスエンジニアリングという会社の2代目社長です。
元はオートバイ店だったらしいのですが、先代の父親が大けがをして、車いす生活
になったことから業種転換をしたそうです。
父親が興した会社に入社したときの苦労や2代目としての苦労が語られています。
徹夜仕事で新聞配達の時間に帰宅し7時には出社するというエピソードが語られています
今ではブラック企業と非難されそうなエピソードですが。
昔はこういったことはよくある話だったんでしょう。
何が今と昔で変わったのだろうかと、考えてみると
仕事では社会との帰属意識が持てなくなったのかなと思いました。
以前は仕事を拠り所とすることで、自分のアイデンテティを見出すことができた。
そして、社会に帰属意識を持つことができた。なので激務に耐えることができた。
しかし、今は非正規雇用が広がり、会社との関係が薄まった。
またパソコンの導入で、個別の作業が増え、業務の大変さを共有することがなくなり
共感される機会が減ったことも、仕事で社会との帰属意識を持てなくなった理由の一つなのかもしれない。
石井勝之さんは、何のために仕事をしているのかと読すすめると、「創る喜び」「売る喜び」「使う喜び」
に自分たちの在り方を求めたと書かれていました。それは本田技術研究所の経営理念と同じだそうです。
先代の石井さんの父が社長の時は、自身が乗りたい車いすをつくっていたため、市場調査をしてこなかった。
そのため営業と製造部門に軋轢があったようです。
息子の石井勝之さんは営業の意見をくみ取り、営業主体の商品企画を行ったそうです。
日ごろお客さんと接している営業の人は、子供向けの競技用車いすを企画した。売り上げも好調だったようです。
「創る喜び」「売る喜び」「使う喜び」3つを満たした事業になった。
お金を儲けるということは、日本では少し後ろめたい負のイメージがありますが、共感する声と受け取ることができる。
技術だけに頼らない、拝金主義にならない、自己満足では終わらない。そのことがモノ作りにおいて重要だなと思いました。
マイケル竹若でした。
以上。